連載「理不尽-ある解任騒動の真相」⑧『棚上げ』 - 広島県保護司会 竹原大崎地区

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連載「理不尽-ある解任騒動の真相」⑧『棚上げ』

取り組み

2025.11.06

 広島県保護司会連合会(県保連)理事会が2023(令和5)年3月に可決した八崎則男会長(当時)らの解任動議が、いかに欺瞞に満ちたものであったかは、これまでの連載で事細かに説明してきた通りである。

 今回は、その動議を起案・賛成した理事たちが、いかに自らの責任を「棚上げ」しているかについても、ご理解いただきたいと思う。

 さて、この稿の末尾に、当日いずれも賛成多数で可決された八崎氏と当時の両監事の解任動議、さらには県保連会則の監事関連部分を抜粋したので、まずはそちらをご覧いただきたい。

 注目していただきたいのは会則の第7条だ。解任された2人の監事を選任したのはそもそも理事会なのである。その任務を遂行していないとして監事を解任するのであれば、少なくとも同時に、その監事を選んだ理事会の責任を追求すべきではないか。

 時系列で説明しておきたい。のちに監事となった2人が「更生保護ひろしま」編集委員に就任したのは2021(令和3)年4月のこと。同年7月の理事会で両氏を編集委員と認める議決(コロナ禍のため書面議決)がきちんとなされている。

 さらに2人のうち1人は編集委員長の吉川水貴氏とともに、翌2022(令和4)年2月25日の常任理事会に出席し、更生保護ひろしま70周年記念特別号の発行と県保連の新ホームページ作成について、その意義や計画内容をこまごまと説明している。

 そして監事2人が正式に就任したのは同年5月23日の理事会だった。

 すなわち理事会は、2人が編集委員であると知っていて監事に選んだ、ということなのである。

 それなのに解任動議の理事会で「両氏が編集委員だとは知らなかった」とぬけぬけと発言した副会長(当時)がいた。それこそ役員失格であろうし、そんな抗弁にならぬ抗弁を許してしまう理事会に果たして、人様の解任動議を審議する資格なんてあるのだろうか。

 もう一つ、解任動議のとんでもない理不尽さについて指摘しておきたい。動議は、監事が編集委員を兼ねているとして「業務執行監査の公平を害した」「自らが行った業務の監査が出来ず、監事の任務を遂行できない」と決めつけている。だがしかし、2人がいったいどんな監査をして、そのどこに不公平があったのか、具体的な根拠は何一つ示していないのだ。

 そもそも解任動議がなされた23年3月の時点で、県保連の令和4年度決算はまとまっていなかった。監事がその業務を完遂しようにも、「本番前」だったのである。なのに「公平を害した」「任務を遂行できない」と決めつけるとは、単なる事実誤認であっても許せないが、これはまさに名誉毀損レベルの誹謗中傷にほかなるまい。

 読者の皆さんは思い出してほしい。県保連は会社法の対象ではないのに、会社法にある「自己取引」規制が適用されるという強引な決めつけで、八崎氏は県保連会長を、吉川氏は選任理事をそれぞれ解任された。ならば、監事の解任でも会社法の規定を持ち出せばいいではないか。

 ところが、それは事実上できないのである。株式会社が監査役を置く場合、取締役や従業員らは兼任できない、と会社法にある。このルールを県保連に準用すると、監事の解任だけでは事は収まらず、会則を改正して保護司ではない外部の人間を監事に起用するしかない。

 解任動議を起案した人物は、それができないと分かっていて、こざかしい「使い分け」をしたのだろう。

 吉川氏との「自己取引」がウィンウィンの関係、すなわち県保連にとっても利益をもたらしていたことはすでにこの連載で何度も述べてきた。同様に、解任された監事2人は編集委員を兼ねていたからこそ、70年史やホームページ作成の業務に精通し、その業務監査においても、県保連のことを思い、まっとうな監査ができたはずだ。

 筆者はこの2人をよく存じ上げている。2人とも監事にふさわしい人格者であることを、この稿の最後にあたり、強く申し上げておきたい。

<つづく>

ーーー

◎解任動議(一部抜粋)

議題1.八崎則男広島県保護司会連合会会長の解任の件

提案理由

(4)監事に業務執行(編集委員)させ,業務執行監査の公平を害した。

議題2.●●●●、▲▲▲▲両監事の解任の件

提案理由

 監事は資産及び会計の状況を監査し、理事の業務執行の状況を監査する(会則第8条5項)

 監事の●●●●氏、及び▲▲▲▲氏は、「更生保護ひろしま」の編集委員であり、「更生保護ひろしま」の発行業務に携わっているだけでなく、更生保護ひろしま70周年記念特別号の編集作成に携わった者である。

 よって、現監事の両名は、自らが行った業務の監査が出来ず、監事の任務を遂行できない。よって解任すべきである。

◎県保連会則(2023年3月当時、一部抜粋)

第7条第3項 監事は、地区保護司会の会員の中から、理事会において選任する。

第8条第5項 監事は次に掲げる業務を行う。

  •  資産及び会計の状況を監査すること。
  •  理事の業務執行の状況を監査すること。

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