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連載「理不尽―外伝」①グリーン車問題
取り組み
2026.04.22
本連載「理不尽―ある解任騒動の真相」はこれまで8回にわたり、2023(令和5)年にあった広島県保護司会連合会(県保連)の会長解任の顛末を読者にお伝えしてきた。ここしばらく休載状態が続いたことはおわびするしかないのだが、実はそれには理由があった。先の会長解任をめぐる混乱がなお続くなか、それから波及する形で、やはり理不尽と形容するほかない「もう一つの事件」が起きたのである。
そこで本編は引き続き休載させていただき、今回から数回にわたって「外伝」をお届けしたいと思う。
それは「事件」と呼んでも決して大げさではない驚天動地の事態だった。保護司のなり手が限られ、全国ほぼ一様に保護司の高齢化と定員割れが続いているなか、「若手」だがキャリア十分な広島県内のある保護司が昨年秋、真っ当な理由は一切なく、しかも本人の意思に反し、さらに本人には何ら知らされないまま「辞めさせられた」のだ。
にわかには信じがたい事件の発端は今から3年前、八崎則男氏が県保連会長を解任された2023年3月16日の県保連理事会に遡る。やはり同じ日に解任された選任理事がいた。機関紙『更生保護ひろしま』編集委員長だった吉川水貴氏である。
八崎氏の信任厚い「右腕」だったことから、一蓮托生と言えばそれまでなのだが、八崎、吉川氏の解任理由が理不尽極まりないものだったことは、これまでの連載でお分かりいただけるだろう。
しかも、それから半月後の3月31日の臨時理事会で、当時の県保連事務局は「『(株)広島千茶荘』との取引について」と題した文書を配布した。広島千茶荘とは吉川氏が役員を務め、県保連から機関紙やホームページ作成を請け負っていた会社である。
当時の県保連執行部としては、吉川氏の解任を正当化する根拠をあらためて列挙しようと考えたのだろうが、これがまた、解任動議に引けを取らない問題文書だった。しかも吉川氏はこの臨時理事会には招かれず、本人に直接の反論の機会すら与えない「欠席裁判」にほかならなかった。
文書の一部を抜粋して本稿の末尾に載せたので、事実無根の内容に満ちていることを念頭にお読みいただきたい。
まず、出張取材したのは令和4年3~4月の4日間であり、文書にある「令和3年」も「ゆうちょ銀行への振り込み」も事実に反している。吉川氏は出張取材の時点で間違いなく編集委員長だった。
解任動議もそうだったが、本人からきちんと事情を聴かないまま事実に反する根拠で人を批判するのは、「杜撰」「いい加減」のレベルを通り越し、「でっち上げ」「誹謗中傷」と見なすほかない。法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員である保護司ならずとも、常識ある人間の振る舞いとして、いかがなものか。
ただ後日、吉川氏から抗議を受けた県保連側は、この点については自らの「誤り」と認めた。
一方、二つめの項目にあるグリーン車利用が県保連の旅費規定にないのは確かな事実である。ただ、この規定は「役職員」が対象であって、当時吉川氏は編集委員長ではあったものの役員(選任理事)に就く以前であり、もちろん職員でもなかった。そもそも旅費規定の対象外だったのである。
このため吉川氏は県保連事務局長(当時)に計3度にわたって旅費規定の対象にならないことを確認し、さらに会長だった八崎氏からグリーン車利用についての承諾を得たうえで出張取材に赴いている。この文書作成者は「明細を精査する必要がある」ともっともらしいことを書き連ねながら、自分は何ひとつ確認作業をしていないばかりか、おぞましい悪意をもって意図的に事実をねじ曲げようとしているとしか思えない。
なお、取材は吉川氏と地元新聞社の特別編集委員(当時)の2人が、信州大学(長野県松本市)だけでなく東京や横浜も巡った。70周年記念誌の特別寄稿「保護司~アジアと世界の眼差し」が原稿料無料で掲載できたのはこの出張取材の大きな成果であり、横浜や信州大学の出張についても『更生保護ひろしま』785号(2022年5月号)掲載の「郷土の先人、楢原正章物語(前編)」の記事などに結実している。
八崎氏が県保連会長、吉川氏が編集委員長を務めていた当時の『更生保護ひろしま』バックナンバーはこのホームページにすべて載せている。「楢原正章物語」をはじめ、吉川氏らの取材力と、取材費に見合う充実した内容になっていることは、読めばすぐにご理解いただけるはずだ。
杜撰な問題文書のさらなる支離滅裂ぶりは、引き続き次回に。
<つづく>
【編注】画像は Google Gemini を用いて生成したイメージ写真です。実際の車両ではありません。
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「『(株)広島千茶荘』との取引について」(一部抜粋)
3、70周年記念誌関係
・令和3年3月25日に、取材費として¥155,340が、ゆうちょ銀行への振り込みによって支払われている。この振り込みは下記令和4年4月の吉川氏向け振り込みと思える。ただ、この時点で吉川氏は編集長に就任していないので、取材等に従事できないはずである。この明細を精査する必要あり。
・令和4年4月6日に、「信州大学取材費」として、¥153,040が、ゆうちょ銀行より吉川氏に、振込送金されている。この支払摘要欄にグリーン車利用と記されているが、旅費規定にグリーン車利用は規定外で、また70周年記念誌に信州大学に関連する記事の掲載が見当たらない。一人で行った額にしては金額が多すぎる等、この明細も精査する必要がある。