更生保護とは - 広島県保護司会 竹原大崎地区

私たちのめざすもの

  • 更生保護の目的

    犯罪をした人がその後、更生しようが、再び罪を犯そうが、自分には関係のないこと−。そう思っている人が多いかもしれません。でも、違うのです。今、刑法犯で検挙される人の半数近くは以前にも検挙されたことがある再犯者です。つまり、一度は罪を犯しても二度としなければ、犯罪はぐっと減り、ひいては安全・安心な地域社会の実現につながるはずです。更生保護とは、一人の人間の立ち直りとともに、地域のためでもあるのです。

  • 更生保護=社会内処遇

    更生保護とは、罪を犯した人や非行少年を刑務所や少年院に収容することとは違って、実社会で生活しながら再出発を目指していく取り組みです。「社会内処遇」と呼ばれます。まずは自分の行為を反省し、償い、もう二度としないと誓うことが大前提ですが、ただそれだけで自立がかなうわけでもありません。民間ボランティアの保護司と国家公務員の保護観察官が協働し、住まいや仕事を確保していくことから支援を始めていきます。

  • 社会を明るくする運動

    法務省が主唱し、各地の自治体や保護司会をはじめ更生保護に関わる団体が連携して取り組んでいる犯罪予防活動です。略して「社明(しゃめい)運動」と呼ばれます。毎年7月の強調月間を中心に、作文コンテストなど全国規模の取り組みのほか、各地区保護司会が工夫を凝らして街頭イベントや講演会などを開催し、更生保護に対する地域の理解と、安全・安心な地域社会づくりに向けての住民参加や結集を呼び掛けます。

保護司とは

保護司とは

保護司は法務大臣が委嘱するボランティアです。保護司になるには、①社会的信望②熱意と時間的余裕 ③生活の安定④健康で活動力を有する―といった条件があります。広島県内で保護司になると広島保護 観察所に配属され、県内に23ある地区保護司会に所属します。経験年数に応じた研修があります。
任期は2年で、本人の希望に応じて78歳になる前日まで再任が可能です。「非常勤の国家公務員」ですが、 給与はありません。ただし、活動のため使った経費は一定の基準に基づき、実費弁償金が支給されます。

保護司の主な仕事

  • 保護観察

    保護観察官と協働して行う保護観察は、保護司が自宅や更生保護サポートセンターで対象者と定期的に面接して更生に向けた約束事を守るよう指導します。対象者が適切な住まいや働き場所を確保するよう手助けもします。

  • 生活環境の調整

    保護観察所からの依頼を受け、刑務所や少年院といった矯正施設に収容されている人の釈放後の住居や就業・就学先などの帰住環境を家族と面会するなどして調べ、更生と社会復帰にふさわしい生活環境を整えていきます。

  • 犯罪予防活動

    「犯罪の予防のための世論の啓発」は保護司の使命の一つ。各地区保護司会は「社会を明るくする運動」に主体的に関わり、学校や地域の各種団体と連携して非行防止や薬物乱用防止キャンペーンなどに取り組んでいます。

保護観察の流れ

保護観察は、保護観察官と保護司が指導監督や支援を行い、犯罪をした人や非行のある少年が地域
社会の中で通常の生活を営みながら改善更生を図ろうとするものです。以下のような流れになります。

  • 1

    保護観察開始

    保護観察の対象となるのは、①家裁の決定で保護観察処分となった少年②少年院の仮退院者③刑事施設の仮釈放者④保護観察が付いた執行猶予者−などです。①と③のケースが比較的多数を占めます。

  • 2

    指導監督

    補導援護

    再犯防止や非行防止に向け、約束事を対象者に守らせるのが指導監督です。一般的な遵守事項としては「健全な生活態度を保持すること」などがあります。補導援護は「適切な住居を得ること」「教養訓練の手段を得ること」といった七つの分野で「(保護司や観察官が)それを助けること」とされています。

  • 3

    改善更生

    上記のほか、対象者が公共の場所を清掃したり、福祉施設で介護補助をしたりする「社会貢献活動」があります。また「専門的処遇プログラム」として、①性犯罪者処遇②薬物乱用防止③暴力防止④飲酒運転防止−の4コースが用意されるなど、さまざまなアプローチ手法で対象者の改善更生を図ります。

  • 4

    保護観察終了

    少年院仮退院者は原則20歳になるまで、刑務所の仮釈放者は残存する刑期が終わるまで、というふうに保護観察期間がそれぞれ定められています。無事に期間満了する人が多数を占めるのですが、残念なことに保護観察中に再度の犯罪や非行により刑事処分や保護処分を受けるケースもあります。

社会を明るくする運動でのイベント

  • 竹原大崎地区推進大会

    竹原市、大崎上島町、竹原大崎地区保護司会などが主催し、大崎上島町の女声コーラスグループ「オレンジコーラス」や竹原市の荘野子ども和太鼓クラブ~葉組~のアトラクションが会場を盛り上げました。 (令和5年7月8日 竹原市民館)

  • ジュニアバレーボール大会

    竹原大崎地区保護司会は、スポーツを通して地域の子ども達の交流を深めることを目的に、地区内の小学生10チームが参加する第6回ジュニアバレーボール大会を行いました。(令和4年9月11日 旧吉名小学校体育館)